活性酸素を抑制する

ニンニクの持つ効能効果についてはいまさら…というぐらい周知されているが、さらに興味深いニンニクパワーについて、もう少しマニアックな情報についてまとめていきたい。

近年、病気と健康に関する話題の中で、よく登場するようになつたものの1つに「フリーラジカル=活性酸素」あるいは「体のサビ=酸化」といった言葉や表現がある。すでに「国際フリーラジカル学会」ができていて、研究も進み、いまでは「疾病の85%は活性酸素が関与している」といわれるように、がぜん注目されている分野である。

人間は口から食物を摂取し、体内に取り込んだ酸素によって燃やすことで、水と化学エネルギーに変換し、これを動力源に生を営んでいる。酸素はわれわれが生きていく上で必要不可欠なものだが、その一方で物を腐食させたり、老化させるといった悪事も働く。特に、このエネルギー代謝の過程で生じるのが活性酸素であり、通常、われわれが消費する酸素の約二% が活性酸素になるといわれる。これは電子が不安定な状態の酸4素分子でフリーラジカルと呼ばれる。

なぜ活性簡素が疾病の原因になるのだろうか。活性酸素はエネルギー代謝の過程で生じるほか、体内に細菌や有害物質が侵入してくると白血球からも放出され、それらから肉体を守る働きをしている。これは私たちの生体防御システムでもあるのだが、そのバランスが崩れて過剰に活性酸素がつくられると、逆に害を及ぼすことになる。

物質のもとである原子はその中心にある原子核と、その周りを回っている電子によつて成り立っている。その電子は普通、ペアになって原子核の周りを回っているのだが、フリーラジカルにはこの電子が1個しかない。本来、ペアであるべきものが1個しかないことから、非常に不安定なため、常にほかの電子を奪おうとする性質がある。逆に、電子を奪われたほうが今度は不安定なフリーラジカ〜になるため、ペアを組もうと、さらにほかの原子や分子から電子を奪おうとする。フリーラジカルが問題とされるのは、こうした連鎖反応が続くことによって、様々なトラブルが起きてくるからである。活性酸素はほかの分子と結合しやすいため、体内で遺伝子・DNAを傷つけることでも知られており、ガンのごく初期であるイニシエーションと、ガン化が促進されるプロモーション期の両方に影響を及ぼすことがわかっている。

また、コレステロールや不飽和脂肪酸と結合して、動脈硬化のもととなる植物性オイルに多い過酸化脂質をつくり出す。つまり、活性酸素によって傷つけられた細胞膜には過酸化脂質というサビがつき、この過酸化脂質からも新たな活性酸素が生じるという悪循環が起こる。

この過酸化脂質はラジカル(遊離基)になりやすく、この物質が老化をはじめ、様々な炎症やガン、動脈硬化、糖尿病などの発生を促進させる、まさに病気の大半に関与する困った存在なのである。本来、われわれは過剰につくられた活性酸素=フリーラジカルの、いわば暴走を食い止め、適当に処理し除去する物質を体内でつくり出す機能を持っている。

それがSOD(スーパー・オキサイド・デイスムターゼ= 活性酸素分解酵素) であり、われわれは活性酸素とSODのバランスを保つことによって、健康を維持できるようになつている。だが、40歳を超すとSODの力が弱まり始めるため、老化や生活習慣病が増えてくる。

困ったことに、この活性酸素はオゾン層の破壊による有害紫外線、大気汚染、農薬、放射線、ストレスなどによって増加する。まさに、現代社会は活性酸素が増加するにはピッダリの頻境なのである。

そのため晴性酸素の発生を未然に防ぎ、生成後の活性酸素を消去し、無害化する抗酸化作用を持つS OD の存在が重要視されている。このSOD には増加した活性酸素をコントロールし、正常化する作用のほかに過酸化脂質の除去作用もある。そこで多くのSOD食品と呼ばれるものが脚光を浴び、健康食品としても売られたりする。

SOD は胚芽や大豆、ハト麦、ゴマ、緑茶、大根の若葉、麦の新芽などの植物や穀類に含まれているのだが、それらは分子量が3万以上のものもあって、そのままでは吸収されにくい。また、それらの植物や穀類にはSOD以外の低分子で活性酸素除去作用の強いフラボノイド、カロチン、ビタミンC 、タンー‥ 、ポリフェノール類なども含まれているのだが、そのまま食べても有効な活性酸素除去作用は、あまり期待できない。これを特殊な操作によって、活性化させる必要があるからだ。

現在のところ、医学的にはいまだ活性酸素やSOD食品についてはよくわかっていない面が多いのだが、いち早くニンニクの持つ抗酸化作用に注目してきた専門家は、「ニンニクの成分がいろんな病気に効くというのは、おそらく抗酸化作用に由来する点が多いことに由来している。

実際に、ニンニクの有効成分(スコルヂニン)を用いて試験管の中で実験すると、抽が酸化するのを防ぐことが容易に見てとれる。おそらく、人体の中でもフリーラジカルを防いでくれるはずだというわけだ。

高コレステロール食を与えたラットを使用した動物実験によって、オキソアミヂン末( スコルヂニン) の生体内における抗酸化作用を調査したところ、オキソアミヂン未を与えたものは与えないグループに対して、血清中の過酸化物値を低下させるとの結果を得ている。

生体内の抗酸化作用の低下から過酸化物が蓄積されることによるガンや老化現象の促進、動脈硬化症、血栓症など各種疾患との関連が報告されているだけに、様々なところでニンニクの持つ抗酸化作用についての研究が進んでいる。

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