発ガン作用の抑制

ガンに対するニンニクの効能効果は、世界各地で注目されはじめている。いまも、多くの大学や企業の研究所で研究が続けられ、新たな成果が発表されている。古くは1953年、米オハイオ州にあるケースウェスタン大学のワイズバーガー博士らはガン細胞に少量のアリシンを混ぜてネズミに注射するという実験を行った。

アリシンを混ぜたネズミは6ヶ月後もまだ生きていたが、ガン細胞だけを注射したネズミは16日後には全部が死んだという結果であった。

ワイズバーガー博士はニンニクの抗菌作用、酵素作用、タンパク質作用に着目し、これらが一体となつてガン細胞の栄養吸収作用や増殖作用などの代謝を妨害し、抑制すると主張した。ワイズバーガー博士の報告によって、ニンニクのガン予防に関する研究が世界各地で盛んに試みられるようになった。

日本でも、67年に京都大学の藤原教授らはニンニク抽出液およびアリシンによって、ガンの免疫が誘導されることを『ネイチャー』誌に発表している。また、小湊博士らがスオコルヂニンの構成成分であるフリーチアマミジンが発ガンを抑える作用のあることを発見している。

その後、80年代のアメリカでガン予防のためにスタートさせた「デザイナーフーズ・プログラム」で、もっともガン予防に効果がある食品のトップにニンニクが位置づけられた。

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90年に京都府立医科大学生化学部の西野教授らが、マウスを使っで有効成分を抽出した濃縮エキスである「熟成ニンニク抽出液」を使用、イオウ化合物のジアリルペンタスルフィドが皮膚ガンの発生を抑制することを確認し、同じくS-アリルメルカプトシステインが肝臓ガンを抑制することを証明している。

西野教授らは、さらに熟成ニンニク抽出液中のどんな成分がガン発生の抑制に関与しているのかを詳しく調べた結果、イオウ化合物以外にも有効成分が含まれていることを発見し、アリキシンと命名。

これはニンニクのストレス化合物で、生ニンニクが長期間熟成されることからくるストレスに対抗するためにできる防衛物質である。

これまでのニンニクのガン予防効果は、初期のイニシエーション期でガンを抑制する作用が中心であることを考えると、アリキシンはプロモーション期でガンを抑制する点が注目されており、今後の研究が期待される。あるいは、めいらくグループが製品化している無臭の脂溶性成分であるアホエンには、発ガンの原因である細胞の突然変異を抑制する効果があり、正常細胞よりもガン細胞に対して低濃度で細胞死を起こすことがわかっている。
さらに強力な発ガン物質であるアフラトキシンB1とDNAの結合を阻害し、ガンの発症を抑制することが期待できるとしている。

1998年に開催されたニンニク国際会議は、これまでのニンニク研究によってわかっていたニンニクの幅広い効用に、様々な面から科学のメスが入れられた画期的な4ものであった。

例えば、ガンについて米サウスカロライナ・ガンセンターのマイケル博士は、食道ガンと大腸ガンの細胞を使ってニンニクの抗ガン作用に関する実験を行った。ラットの腹部に発ガン物質(ジメチルヒドラジン) を注射すると、大腸の細胞群が異常な増殖を示すようになり、やがてガンになっていく。

実験では発ガン物質だけを10週間にわたって投与されたラットは、30例中19例に大腸ガンが発生したが、発ガン物質を注射する3時間前にイオウ化合物のS-アリルシステイン(無臭の水溶性成分)を与えたラットは30例中8例しかガンが発生しなかった。

また、ニンニクの成分の一種であるジアリルスルフィド(香り成分)にもガン細胞の異常増殖を抑える働きがあることもわかった。これらニンニクに含まれるイオウ化合物が発ガン物質を解毒する肝臓の酵素を活性化するため、ガン発生が抑えられるわけである。米ニュージャージー州のラドガーズ大学医学部のチャング博士が「大腸ガン、肝臓ガン、肺ガン、胃ガン、食道ガンについてもニンニクの成分が細胞のガン化を防いでいる」と報告しているが、米スローンケタリング・ガン研究所のリチャード博士もニンニクの水溶性のイオウ化合物が人間の前立腺ガンの細胞、乳ガンの細胞の成長、増殖を抑制することを試験管実験で確認。

また、ガン細胞を埋め込んで発病させたマウスの膀胱ガンに対して、ニンニクがどう働くかを試した結果、膀胱ガンの成長が止まることことを確認した。その効果は従来の勝脱ガンの治療薬であるBCGと同程度、もしくはそれ以上という驚異的なものだった。BCGには副作用の危険があるが、ニンニクは毒性のない補助剤として勝胱ガンの治療に役立つことがわかるなど、ニンニクの抗ガン作用が実に幅広いものであることを証明する報告が相次いだ。

2001年6月の『日本癌学会誌』では、岐阜大学医学部の森教授らのグループが実験用ラットを使ったスコルヂニンの動物肝臓ガンに対する効果を実証。「人の肝臓ガンに対する有望な治療化学物質である」との報告レポートが掲載されている。

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