肝臓に効く解毒作用

肝臓は栄養素の代謝・蓄積、タンパク質の合成、ビタミンの活性化、有害物質の分解・処理など、様々な働きをする非常に重要な臓器である。

その多様な働きぶりは、われわれの体内にある化学工場にたとえられる。だが、その肝臓は「沈黙の臓器」といわれるように、多少のトラブルや不調では悲鳴を上げないため、自覚症状がないまま、気がついたときにはかなり症状が進んでいしるということが少なくない。

特に、現代の食生活、生活環境は肝臓に負担を強いることが多い。「ニンニクニクを食べると酒をおいしく飲むことができて、二日酔い、悪酔いをしないという効能、効果も有名です「ニンニクを食べると、アルコールに強くなる」といった話もよく耳にします。

要するに、ニンニクを食べれば血行が良くなるように、肝臓の代謝機能が高まり、肝臓の解毒作用がアルコールの分解を促進するというわけである。

20十数年前、どんな食品が肝臓にいい影響を及ぼすかを調べていた研究所の博士は、ニンニクのしぼり汁を使ったマウス実験を行っている。

それによると、マウスにニンニクのしぼり汁を飲ませ、24時間後に肝臓を取り出し、電子顕微鏡で調べたところ、マウスの肝臓の糸粒体や小胞体がニンニクを与えていない通常のマウスに比べて、はるかに増大しており、活発な動きをしていた。

糸粒体は体内の有害物質を安全な物質につくり替えたり、不要な物質を体外に排出したりする役割を持っている。小胞体は細胞のリボソームで合成されたタンパク質を輸送する機関で、ここから必要に応じて体の各部位に送り出される。

したがって、これらの機能が正常に働いていれば、体はいつまでも若く健康な状態を保っていられる。まさにニンニクは肝機能を強化する理想的な食品というわけである。

にんにくで肝機能障害を抑制する

次に調べたのは、ニンニクを摂取してから、どのぐらい経過すると、強肝作用があらわれるかということ。実験の結果、その作用はニンニクをとってからおよそ6時間後に表れることがわかった。

ということは、お酒を飲む6時間前にニンニクをとっていれば、酒の席で多少度を過ごしても、悪酔い、二日酔いは防げるということ。

アルコールは唯一、飲用が公に認められている麻酔剤である。そのため、アルコールを飲むと、その麻酔作用によって中枢神経の抑制が取れる。

だが、度を越すと、アルコールによる運動障害、言語障害が出てくる。さらには、意識障害、呼吸中枢の麻痺が起こり、酩酊状態となってて死に至ることもある。

アルコールは体内でアセトアルデヒドに変わる。このアセトアルデヒドが人体にとっての有害物質であり、悪酔い、二日酔いの原因となるのだが、多くの場合はこれがスムーズに分解され酢酸に変わる。ところが、この代謝過程でアルデヒド分解酵素に何らかの異常があると、酢酸への代謝が阻害されるため、やがて肝障害、脳障害を起こし、アルコール依存症になるのである。

欧米人に比べ、日本人にはアルデヒド分解酵素の欠損者が多いことがわかっている。アルコールを与えて酔わせたウサギを使った実験を行い、事前にニンニクを与えたウサギは、通常のエサをとっていたウサギに比べて、アルコールに強くなることを確認している。

肝臓を酷使しがちな人たちは、努めて新陳代謝を促し、アルコールに強くなるニンニクの効用を積極的に取り入れたい。また、ニンニクは肝臓障害の中でも、特に急性肝炎を改善する効果があることが知られている。

熟成ニンニク抽出液の一成分であるS-アリルメルカプトシステインに着目。。肝障害を起こす薬物・アセトアミノフェンを投与し、人工的に肝障害を起こさせたマウスを使って、ニンニクの有効成分が、どの程度有効に働くかの実験を行っている。

正常な肝臓は肝障害を起こすと、血中のALT活性(GOT・GPT値と同じ) を示す数値が急激に上昇する。そこで、マウスに実験前日と実験開始の2時間前にニンニクの有効成分を投与、その後、アセトアミノフェンを大量に投与し、血中A T活性を調べた。その結果、正常で10~20単位(KU)の数倍が、ニンニク成分を投与しなかったグループは1000KU近くまで急激に上昇したのに対して、ニンニク成分を投与したグループでは、10分の1以下に抑えられたのである。
ニンニクの有効成分・アホエンがアセトアミノフエンによる肝臓障害を抑制することを確認。

正常なマウスの10~20倍に上昇したGPT・GOT値が、アホエン投与量を増加させると、正常値に近づくことが確認されている。ただ、
人間の場合、肝炎はウイルス感染によるものがほとんどであり、マウス実験の薬物による急性肝炎とは性質が異なる。また、肝臓に対するニンニク成分の働きの詳細は研究途上で、因果関係がわかっていない面もある。

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