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更年期障害への効果

更年期障害は文字通り「更年期」に表れる障害であり、男女とも一定の年齢にさしかかると表れてくるいろんな不調をいう。冷え性とともに女性に顕著に表れる。6000人の更年期女性を対象にしたイギリスの調査では「84% の女性がほてりや夜間の発熱、不眠症、膣の異常などの身体的症状、あるいはうつや不安などの精神的症状など、何らかの更年期特有の症状を体験している」という。

原因として考えら156れるのは、ホルモン分泌のバランスの崩れに加えて、夏は冷房、冬は暖房とエアコンによる季節の変化を感じさせない生活環境や心理的なストレスの影響が、自律神経の乱れに拍車をかけている。冷えは血行が悪く、手足の末端に体温が伝わりにくくなるために起こる。その分、上半身に血液が滞り、のぼせも併発しやすくなる。

ニンニクを食べると、何となく体が温まるように思える。これは気のせいではなく実際に古くから知られているニンニクの特徴の1つである。医食同源をモットーとする中国には、古来「食医」という考え方がある。すべての食べ物を各人の体の状態や季節の変化に応じてとれば、健康増進に役立ち、病気の予防ができるというものだ。

ちなみに、食医は紀元前1世紀の周の時代の書物「周礼」に出ている。同書によれば、当時の医者は四段階に分けられ、その筆頭にいたのが天子(王)に天子の周辺にいた食医であった。食医、疾医(内科医)、瘍医(外科医)、獣医との健康を預かる専属のコック兼医師でした。

食医のつくる天子の食事内容について「黄帝内経」には「五穀を栄とし、五果(果実・根菜類)を助とし、五畜を益とし、五菜を充とす。

気味の合うものを食すれば、補精益気の功あり」と善かれている。食物には、それぞれの持つ「気」があり、大別すると「寒・熱・温・涼」の4つに分けられる。体を温める性質を持つ食物が熟、それよりやや軽い温、逆に体を冷やす性質を持つものが寒、やや軽い涼となる。この4つのどれにも属さないものを「平」と称する。

結局のところは、バランスの良い食事が基本であり、さらに「気味の合うもの」として、漢方薬を含めたいわゆる薬膳によって〝食べながら治す″ というのが中国式である。ニンニクは東洋医学では、体を温める効果のある代表的なものである。体質的にどことなく元気がなく、皮膚が青白くて下痢をしやすい人には、肩こりや首すじが凝って、冷え性の人が多い。

ニンニクを常食することで、便も正常になり、体内の新陳代謝が活発になり、体じゅうに活力がみなぎり、皮膚の色つやもよくなってくる。ニンニクそのものが頭痛やイライラなどの不定愁訴に効果的なことが確認されていて、神経を安定させる効果があるほか、ホルモンの分泌を促進する働きがある。

特に、ニンニク酒は体が温まり、疲れも取れてよく眠れるようになる。不眠症の人にはナイトキャップ代わりに一石二鳥でみる。ニンニクもニンニク酒も食べ過ぎ、飲み過ぎに注意して、環境的にも社会生活の上でもストレスの多い現代人にとっての強い味方にしたいものだ。

環境ホルモンに対する免疫力

近年の環境破壊の進行にともなって、大気汚染をはじめ、水質汚濁、農薬公害、添加物その他、有害食品の氾濫などが深刻な問題になっている。

人体への影響が危倶される中で容易に考えられるのが、例えば大気汚染による気管支ぜんそく。ぜんそくは吸引された有害物質によるアレルギー反応であるが、ほかにも水質汚染物質や残留農薬などの有害・発ガン物質が体内に蓄積されることによって、様々な中毒症状やガンの発生が促されることになる。

いわゆる環境汚染による被害から逃れるには、それら汚染源を取り除くか、そこから遠ざかるのが一香手っ取り早いが、実際にはそうもいかない。

結局のところ、頼りになるのは肝臓の解毒作用であり、ニンニクなどの持つ環境汚染物質や有害食品に対する抵抗力増進効果というわけである。

元来、人体には自己防衛本能の一つとして生体内解毒作用があって、体外から取り入れたり、体内でできた有害物質を無害化し排出するという働きが、ある程度備わっている。
だが、その働きにも限度がある。ニンニクはそれら作用を促す、いわば細胞力を旺盛にし、新陳代謝を促進する働きがある。

ニンニクの有効成分・スコルヂニンが、生体内において、細胞・組織および諸器官に活力を与えるとともに、その機能を強化・保護する一方、有害物質を分解し、排出する働きをすることを確認している。生体に悪影響を及ぼす環境ホルモンの害が盛んに取り沙汰される現在、ニンニクの有効成分は環境ホルモンに対する免疫力を高めるものとして、環境汚染による害を予防する面からも、大いに期待されている。環境の変化は、

人体にもいろいろな影響を与えているが、近年増えている花粉症もその一つであろう。野菜の抗アレルギー作用についてニンニクのエキスがスギ花粉を投入したマウスの花粉症アレルギーを抑制する実験を行ったことがあった。

その後も、花粉症の学生たちの協力を得て、毎日湯飲み茶碗一杯のニンニクエキスを飲んでもらい、花粉症に関する効果の実験調査を行っている。

ニンニクエキスは150CC の水に60グラムのニンニクをスライスして、100度で5~10分ほど煮出したもの。毎日、ニンニクエキスを飲んでいる学生から採血し血液中のリンパ球を調べたところ、花粉症を起こす「IgE抗体」の量が減り、結果的にニンニクエキスを飲み続けた学生は、一様に花粉症を軽減できたというのだ。

肝臓に効く解毒作用

肝臓は栄養素の代謝・蓄積、タンパク質の合成、ビタミンの活性化、有害物質の分解・処理など、様々な働きをする非常に重要な臓器である。

その多様な働きぶりは、われわれの体内にある化学工場にたとえられる。だが、その肝臓は「沈黙の臓器」といわれるように、多少のトラブルや不調では悲鳴を上げないため、自覚症状がないまま、気がついたときにはかなり症状が進んでいしるということが少なくない。

特に、現代の食生活、生活環境は肝臓に負担を強いることが多い。「ニンニクニクを食べると酒をおいしく飲むことができて、二日酔い、悪酔いをしないという効能、効果も有名です「ニンニクを食べると、アルコールに強くなる」といった話もよく耳にします。

要するに、ニンニクを食べれば血行が良くなるように、肝臓の代謝機能が高まり、肝臓の解毒作用がアルコールの分解を促進するというわけである。

20十数年前、どんな食品が肝臓にいい影響を及ぼすかを調べていた研究所の博士は、ニンニクのしぼり汁を使ったマウス実験を行っている。

それによると、マウスにニンニクのしぼり汁を飲ませ、24時間後に肝臓を取り出し、電子顕微鏡で調べたところ、マウスの肝臓の糸粒体や小胞体がニンニクを与えていない通常のマウスに比べて、はるかに増大しており、活発な動きをしていた。

糸粒体は体内の有害物質を安全な物質につくり替えたり、不要な物質を体外に排出したりする役割を持っている。小胞体は細胞のリボソームで合成されたタンパク質を輸送する機関で、ここから必要に応じて体の各部位に送り出される。

したがって、これらの機能が正常に働いていれば、体はいつまでも若く健康な状態を保っていられる。まさにニンニクは肝機能を強化する理想的な食品というわけである。

にんにくで肝機能障害を抑制する

次に調べたのは、ニンニクを摂取してから、どのぐらい経過すると、強肝作用があらわれるかということ。実験の結果、その作用はニンニクをとってからおよそ6時間後に表れることがわかった。

ということは、お酒を飲む6時間前にニンニクをとっていれば、酒の席で多少度を過ごしても、悪酔い、二日酔いは防げるということ。

アルコールは唯一、飲用が公に認められている麻酔剤である。そのため、アルコールを飲むと、その麻酔作用によって中枢神経の抑制が取れる。

だが、度を越すと、アルコールによる運動障害、言語障害が出てくる。さらには、意識障害、呼吸中枢の麻痺が起こり、酩酊状態となってて死に至ることもある。

アルコールは体内でアセトアルデヒドに変わる。このアセトアルデヒドが人体にとっての有害物質であり、悪酔い、二日酔いの原因となるのだが、多くの場合はこれがスムーズに分解され酢酸に変わる。ところが、この代謝過程でアルデヒド分解酵素に何らかの異常があると、酢酸への代謝が阻害されるため、やがて肝障害、脳障害を起こし、アルコール依存症になるのである。

欧米人に比べ、日本人にはアルデヒド分解酵素の欠損者が多いことがわかっている。アルコールを与えて酔わせたウサギを使った実験を行い、事前にニンニクを与えたウサギは、通常のエサをとっていたウサギに比べて、アルコールに強くなることを確認している。

肝臓を酷使しがちな人たちは、努めて新陳代謝を促し、アルコールに強くなるニンニクの効用を積極的に取り入れたい。また、ニンニクは肝臓障害の中でも、特に急性肝炎を改善する効果があることが知られている。

熟成ニンニク抽出液の一成分であるS-アリルメルカプトシステインに着目。。肝障害を起こす薬物・アセトアミノフェンを投与し、人工的に肝障害を起こさせたマウスを使って、ニンニクの有効成分が、どの程度有効に働くかの実験を行っている。

正常な肝臓は肝障害を起こすと、血中のALT活性(GOT・GPT値と同じ) を示す数値が急激に上昇する。そこで、マウスに実験前日と実験開始の2時間前にニンニクの有効成分を投与、その後、アセトアミノフェンを大量に投与し、血中A T活性を調べた。その結果、正常で10~20単位(KU)の数倍が、ニンニク成分を投与しなかったグループは1000KU近くまで急激に上昇したのに対して、ニンニク成分を投与したグループでは、10分の1以下に抑えられたのである。
ニンニクの有効成分・アホエンがアセトアミノフエンによる肝臓障害を抑制することを確認。

正常なマウスの10~20倍に上昇したGPT・GOT値が、アホエン投与量を増加させると、正常値に近づくことが確認されている。ただ、
人間の場合、肝炎はウイルス感染によるものがほとんどであり、マウス実験の薬物による急性肝炎とは性質が異なる。また、肝臓に対するニンニク成分の働きの詳細は研究途上で、因果関係がわかっていない面もある。

水虫の特効薬

ニンニクの効能効果は、実際に利用してみればすぐにわかる。まず、食べれば元気になる。あるいは、アリシンのもつニンニクの殺菌作用についても、抗生物質は種類によって使い道が限られているのに対して、ニンニクの場合はほとんどすべての細菌に効果がある。

その威力の一端は、特効薬がないといわれてきた水虫に試してみれば、納得できるはず。よく「水虫の特効薬を発明したらノーベル賞もの」といわれるが、実は現在、水虫の特効薬はないわけではない。ただ、効く薬はあるのだが、一発で完治できるのかといえばそうもいかない。

かなり根気がいる。普通は治りかけたところで、止めてしまうため「治った」と思った水虫が再発し、折角の特効薬が宝の持ち腐れとなってしまう一面もある。その頑固な水虫が「一発で治る」というのであるから、ニンニクはすごい。

実際にその効果を語る多くの証人もいる。長年、頑固な水虫に悩まされてきたある教授は、自らを実験台にニンニクで水虫を完治した経験を持つ。

以来、いろいろなところで「ニンニクによる有水虫撃退法」を紹介している。その方法は、

  1. 患部をきれいに洗っておく
  2. ニンニク一片をおろし金ですり下ろす
  3. おろしニンニクを患部に塗る
  4. そのまま10~20分ほど待つ
  5. 水でさっと洗い流してから、匂わないようにぬるま湯で石鹸を使ってよく洗い落とす

というものだ。水虫の進行度によって異なるが、塗った瞬間、ニンニクの刺激成分が染みて、かなりの痛みを感じる。授自身「耐えられないほどの痛みがあった」というが、普通はそれも1~2分で薄らいでくる。ただし、あまりにも刺激が強すぎて耐えられないようであれば、決して無理をせずに水で薄めて使用すればよい。

以上の方法で、1回で水虫を治してしまったが、よほど頑固な水虫でなければ1回で完治する。治療というには原始的で単純すぎるため、ややありがたみに欠けるが、賀教授お勧めの「特効薬」 である。

血糖値を下げる

死亡率ではガンや心疾患などに比べてはるかに低いが、多くの病気の引き金になっているのが糖尿病である。糖尿病は近年の飽食が生み出した典型的な生活習慣病であり、日本では40歳以上の約10% の人が糖尿病だともいわれている。

疫学調査から推定される糖尿病患者は、500万人を超える。だが、とてもそんな数では収まるまい。「最近は痩せていても体脂肪の多い「隠れ肥満」が急増し、糖尿病は若年層を含めた「国民病」の観がある。500万人を超える糖尿病患者以外に、肥満その他、糖尿病を超こしうる危険分子を持っている予備軍が、彼らの二倍いるといわれているだけに少なくとも、1500万人が糖尿病の危機にある。

かくれ肥満のための知識と肥満の減らし方はこちら。

この数字は増えることはあっても、当面、減ることなど考えられない。

糖尿病とは、手近な辞書には「尿中に多くの糖が検出される病気」とあるが、実際は尿に糖が出たから糖尿病というわけではない。

糖尿病とは「血液中の糖が過剰になった状態」を意味する。つまり、膵臓の機能不調で摂取した糖質の量に対するインシュリンの作用不足で、血中のブドウ糖濃度が高くなる疾患群のこと。

その意味では糖尿病とは血管の病気なのである。ニンニクに抗血栓作用やコレステロール値を下げる作用などがあり、血管の病気に効果があることはすでに見てきたが、それとは別にニンニクには糖尿病の特徴である血糖値そのものを下げる作用があることもわかっている。

その昔、中央ヨーロッパや東ヨーロッパの民間療法では、薬草医たちは血糖のことなど何も知らなかったはずだが、明らかに血糖値を下げる目的でニンニクを常用していた。1975年になつて、インドのジュイン博士らはウサギを使って、アルコールなどで抽出したニンニクのエキスが糖尿病に優れた効果を示すことをアメリカの臨床栄養学の雑誌に発表している。

ウサギにアロキサンという物質を注射し、膵臓のインシュリンをつくる細胞の作用を止めて、人工的に血糖値の高い糖尿病ウサギをつくつた。そのウサギにニンニクのエキスを経口投与し、各種エキスを与えられたウサギは血糖値の高い対照群に比べて、いずれも血糖値を低下させた。特に、エーテル抽出のエキスは、血糖降下剤・トルブタイドの効果とほとんど同じ程度の低血糖効果を示したという。

ラットにアロキサンという人工的に糖尿病を起こさせる物質を投与。血糖値が200~300mg/dlにまであがったラットにニンニンクのエキスを与え続けると、2~3日で血糖値が80mg/dlという正常値にもどることが確認されている。このとき、ニンニクにビタミンCを加えて、一緒に投与すると、より効果的であることも確認されている。
ビタミンC には摂取した栄養を体内の各臓器に送りやすくする働きがあり、ニンニクが膵臓に及ぼす作用を、さらに活性化してインシュリンの分泌を促すことによって、血糖値を正常にもどすわけである。

糖尿病は「病気の問屋」と言われ、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、神経障害、網膜症、感染症などを併発しがちです。ホルモンの1つであるインシュリンが正常に分泌されないと、体内の糖代謝がうまく行われなくなり、血中濃度が上昇して糖尿病の引き金になるが、ここでもニンニクは自律神経を安定させ、内分泌系に働きかけてホルモンの分泌を正常に維持する働きがある。

ニンニクを常食することにより、膵臓の機能回復、血糖値正常化作用、疲労感、精力減退の回復につながり、結果的にすべてが糖尿病の改善に役立つというわけである。

血栓・脳卒中の予防

ニンニクの抗血栓作用に関しては、ニンニクの持つ物質の中でももっとも強い血栓形成防止効果を示すものとして、アホエンがよく知られている。

アホエンの効能効果の研究を続けているめいらくグループのバイオ開発研究所では、ほかのニンニク成分同様、アホエンは動物実験において、血液中のコレステロール値を低下させることを確認している。
アホエンの脳卒中抑制効果についても、加齢とともに高血圧を自然発症し、脳卒中を起こす「脳卒中易発症性高血圧発病ラット(SHRSP)」」を使った実験を行った結果、脳卒中の発症率を62.4%低下させた。

脳卒中の原因となる脳の血管が詰まったり、狭くなって血液が流れにくくなるなどの脳の血流循環障害は、すでに見てきたように酸化による血管壁の損傷が主原因である。

活性簡素から身を守るには、いかにして酸化を防ぐかがポイントとなるが、アホチは動物実験で血液中の過酸化物の抑制、SOD (活性酸素分解酵素)の活性上昇、GSH・PX (過酸化物除去酵素)の活性上昇に有効性が認められている。

また、アホエンは全身に血液を送り出すポンプの役割をしている心臓そのものの働きをも強める作用が明らかになつている。具体的には、各臓器の機能を発揮させるのに必要な物質であるC・AMP(環状アデノシン-リン酸) レベルを上昇させることで強心作用、気管支拡張作用などの生理的効果が期待できるという。

心臓や循環器を守る働きについてニンンニク嫌いの国では心臓病が多く、ニンニクをよく食べる国では心臓病が少ないことについてこう説明する。

例えば、これはたしかな実証があることだが、地中海沿岸諸国では肉料理をたくさん食べるにもかかわらず、北ヨーロッパ諸国よりも心臓病の人が少ない。この間題は最近イギリスでも議論され、ある医者は地中海沿岸諸国ではたくさんワインを飲むからだと述べ、さらに別の医者は脂肪をあまり摂らないからだと述べていたが、実際には様々な要因が重なり合った結果であり、どの主張が正しいと特定することはできない。

あまり理屈をこね回すのも考えものだ。大事なことははっきりしている。料理には必ずアリウム(ネギ・ニンニク類) を添える。調理にはニンニクのかけらを忘れずにニンニクの様々な成分がほとんど万能薬としての効果を示すことがわかっているにもかかわらず、そのどの成分が決め手となるのか、すべてが解明されていない以上、結論は常に同じ「ニンニクをとろう」というところにもどってくるわけである。

悪玉(LDL)コレステロールを抑制する

先進国でガンとともに全死因の多くを占めるのが、日本でも食生活の洋風化とともに急増してきた動脈硬化が原因で起きる心筋梗塞などの心疾患や脳卒中である。

かたよった食生活に加え、慢性的な運動不足、心労・ストレスが、心臓や循環器の病気の増加に拍車をかけている。心臓病も脳血管疾患も同じ血管の病気であると捉えれば、日本人の死因のトップはガンではなく、血管の病気ということになる。

動脈硬化はコレステロールや過酸化脂肪が付着し、動脈の壁が厚くなって弾力を失う現象。
体内で消化しきれなかった糖質や脂質などのエネルギー源は、脂肪として蓄えられ、血液内に入っていく。ここでも活性酸素が大きく関与しているのだが、血管内のコレステロールなどの脂肪は血液に溶けないため、タンパク質と結合し「リポタンパク(リボプロテイン)」という形で血液中を流れる。動脈硬化のメカ:ズムは悪玉コレステロールのLDL(低比重リボプロテイン)が酸化されると、悪質な変性LDLになる。

免疫細胞の一種であるマクロファージは、この変性LDLを細菌などの異物と認識し、どんどん食べてしまう。しかし、マクロファージの処理能力にも限度があり、それを超えると泡沫細胞を形成する。これが繰り返されることによって、やがて血管壁に脂質が付着して動脈硬化が起こると考えられている。

コレステロールとニンニクの関係についての研究を世界で最初に手がけたのは、近代薬草学の権威の1人として知られるブルガリアのヴュセリン・ベトコフ博士であった。

1949年にベトコフ博士が行った実験は、ウサギにコレステロールたっぷりのエサを与え、動脈の壁が硬くなるアテローム性動脈硬化症を誘発させた。そのコレステロールの血中濃度を高くしたウサギの中の何匹かにニンニクを与えると、コレステロール濃度が下がり、血管の状態も改善したというもの。

ベトコフ博士の研究から半世紀たって、米ロマリンダ大学医学部のベンジャミン・ラウ教授らのグループは、ニンニクの成分に脈硬化を予防する効果があることを突き止めた。

LDLを酸化する働きのある溶液にLDLを入れ、熟成ニンニク抽出液を卯えると、何も入れなかった場合に比べて、LDLの酸化が4分の1に減少した。

これは抽出液の峨分であるS-アリルシステインや、その代謝物のN-アセナル-S-アリルシステインでも同様の効果があった。

「男女計8人を対象にした小規模な臨床実験でもニンニク抽出液を摂取した人の血液は、LDL の酸化が起こりにくく、LDLの酸化抑制がニンニクの有効作用の1つであるといっていい」と指摘している。

また、米ペンシルバニア大学栄養学部のユ・ヤン・イ博士はニンニクにLDLを減らす働きがあることを臨床実験で確認した。熟成したニンニクから抽出したエキスをカプセルに入れ、これを34人に5ヶ月間服用させた。

その結果、LDL値が12%下がり、総コレステロール値でも平均7%下がった。博士はニンニクの肝臓細胞の代謝機能についても「ニンニクに含まれるS-アリルシステインが培養肝臓細胞に働きかけて、.コレステロールおよび脂肪酸の合成を抑制する」と発表している。あるいは、血液学の権威として知られる米イーストカロライナ大学医学部のマンフレッド・スタイナ一博士は、熟成ニンニク抽出液を使った二重盲検法による臨床試験で血清コレステロール値が低下することを報告。

さらに、血小板への影響を調べたところ、コレステロール値が高い人たちに熟成ニンニクエキスを一日、2.4グラムから4.8グラム与えると、血小板の凝集、血管への付着が明らかに抑えられたことを報告している。

ピロリ菌やO-157にも有効

ヘリコバクター・ピロリという細菌が、胃ガンや胃潰瘍の原因になるとして、その存在が注目を集めている。ピロリ菌に感染すると、ほぼ100% の人が自覚症状のない胃炎を起こし、そのうち数パーセントが胃潰瘍に進行する。

ピロリ菌は胃酸を中和する酵素を持っているため、酸性の強い中でも繁殖し、菌の出す毒素が潰瘍やガンにつながる細胞異常を引き起こすと見られている。ピロリ菌は日本人の中高年の約7割、日本人全体では約5000万人が感染しているといわれている。

米国立ガン研究所では、ニンニク国際会議でニンニクを食べるとピロリ菌の感染が減り、胃ガンの発生が抑制されることを示す疫学調査の結果を報告した。ニンニクの大産地である中国山東省蒼山県では、住民は日常的にニンニクを食べている。そのため、胃ガンの発症率は人口10万人当たり男性で5人、女性で3人と、日本のほぼ10分の1という少なさである。

住民200人あまりを対象にした調査では、ニンニクを1年間に15キロ以上食べている人は、5キロ以下の人に比べて胃ガンの発生リスクは、約半分と少ないことがわかった。内視鏡を使った胃の組織を調べたところ、ピロリ菌に感染している人ほど、免疫力が高かった。

同時に、ニンニクを食べることにより、胃の中のピロリ菌が減少することを報告。ニンニクを食べている人ほど胃の中のピロリ菌が少なく、胃損壊や胃ガンにならずにすんでいることを証明した。日本でバイオ開発研究所が抗ヘリコバクター・ピロリ作用を持つ物質を検索した結果、粉砕したニンニク油脂と混合することで油脂中に抽出されるニンニク成分がピロリ菌の育成を著しく阻害することを発見。

アホエンやチオスルフィネートなどの油浸漬ニンニク成分が低濃度でピロリ菌の育成を阻害するとして、すでに特許も出願している。

古くから、ニンニクの刺激成分・アリシンなどの揮発性成分は強力な抗菌作用、殺菌作用を持っていることで知られる。すり下ろしたニンニクは水虫の特効薬として有名であるが、ニンニクは12万倍に薄めた液でもコレラ菌やチフス菌、赤痢菌などに対する抗菌力を発揮。

ニンニクの持つ抗菌作用については、1996年に大流行して以来、毎年のように少なからぬ犠牲者を出してきた病原性大腸菌O-157 にもニンニクが有効であるとの研究結果が、弘前大学医学部の佐々木博士らによって報告されている。
佐々木博士らは自然界の食物から抗ガン物質を探す研究に携わってきて、90年にはイカ墨の中に抗ガン物質があるとの研究報告をまとめた。

次に選んだテーマが青森県特産のニンニクであった。研究を続けていたところ、たまたまO-157が猛威をふるっていた時期に、あるセラミックメーカーからセラミックスのO-157に対する殺菌効力の研究を依頼された。その研究をまとめた後、改めて「ニンニクにもO-157に対する抗菌効力があるのではないか」との想定のもとに始めた実験が、試験管に滅菌蒸留水と、1:ニンニクの粉末1% を入れた滅菌蒸留水を用意し、それぞれにO-157菌を入れて、37度で培養するという方法であった。

その結果、ニンニクの入っていないほうは増殖し、1CC当たり約3億個の菌があるのに対して、ニンニク入りのほうはすべての菌が死滅していた。このニンニク入りの溶液を100度で10分間および20分間加熱し、同様の実験をしても結果は変わらなかった。さらに興味深いのは、抗生物質が効かずに問題になっている院内感染を起こすMRSA( メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)にも殺菌力を持っていることを立証。これまで問題とされてきたあらゆる菌に対して、殺菌力を持っていることが明らかになっている。

食あたり・O157をにんにくで予防

発ガン作用の抑制

ガンに対するニンニクの効能効果は、世界各地で注目されはじめている。いまも、多くの大学や企業の研究所で研究が続けられ、新たな成果が発表されている。古くは1953年、米オハイオ州にあるケースウェスタン大学のワイズバーガー博士らはガン細胞に少量のアリシンを混ぜてネズミに注射するという実験を行った。

アリシンを混ぜたネズミは6ヶ月後もまだ生きていたが、ガン細胞だけを注射したネズミは16日後には全部が死んだという結果であった。

ワイズバーガー博士はニンニクの抗菌作用、酵素作用、タンパク質作用に着目し、これらが一体となつてガン細胞の栄養吸収作用や増殖作用などの代謝を妨害し、抑制すると主張した。ワイズバーガー博士の報告によって、ニンニクのガン予防に関する研究が世界各地で盛んに試みられるようになった。

日本でも、67年に京都大学の藤原教授らはニンニク抽出液およびアリシンによって、ガンの免疫が誘導されることを『ネイチャー』誌に発表している。また、小湊博士らがスオコルヂニンの構成成分であるフリーチアマミジンが発ガンを抑える作用のあることを発見している。

その後、80年代のアメリカでガン予防のためにスタートさせた「デザイナーフーズ・プログラム」で、もっともガン予防に効果がある食品のトップにニンニクが位置づけられた。

疲労回復や免疫力のアップ「にんにく」 | ガン予防のための習慣
https://www.malignant-t.com/archives/85

90年に京都府立医科大学生化学部の西野教授らが、マウスを使っで有効成分を抽出した濃縮エキスである「熟成ニンニク抽出液」を使用、イオウ化合物のジアリルペンタスルフィドが皮膚ガンの発生を抑制することを確認し、同じくS-アリルメルカプトシステインが肝臓ガンを抑制することを証明している。

西野教授らは、さらに熟成ニンニク抽出液中のどんな成分がガン発生の抑制に関与しているのかを詳しく調べた結果、イオウ化合物以外にも有効成分が含まれていることを発見し、アリキシンと命名。

これはニンニクのストレス化合物で、生ニンニクが長期間熟成されることからくるストレスに対抗するためにできる防衛物質である。

これまでのニンニクのガン予防効果は、初期のイニシエーション期でガンを抑制する作用が中心であることを考えると、アリキシンはプロモーション期でガンを抑制する点が注目されており、今後の研究が期待される。あるいは、めいらくグループが製品化している無臭の脂溶性成分であるアホエンには、発ガンの原因である細胞の突然変異を抑制する効果があり、正常細胞よりもガン細胞に対して低濃度で細胞死を起こすことがわかっている。
さらに強力な発ガン物質であるアフラトキシンB1とDNAの結合を阻害し、ガンの発症を抑制することが期待できるとしている。

1998年に開催されたニンニク国際会議は、これまでのニンニク研究によってわかっていたニンニクの幅広い効用に、様々な面から科学のメスが入れられた画期的な4ものであった。

例えば、ガンについて米サウスカロライナ・ガンセンターのマイケル博士は、食道ガンと大腸ガンの細胞を使ってニンニクの抗ガン作用に関する実験を行った。ラットの腹部に発ガン物質(ジメチルヒドラジン) を注射すると、大腸の細胞群が異常な増殖を示すようになり、やがてガンになっていく。

実験では発ガン物質だけを10週間にわたって投与されたラットは、30例中19例に大腸ガンが発生したが、発ガン物質を注射する3時間前にイオウ化合物のS-アリルシステイン(無臭の水溶性成分)を与えたラットは30例中8例しかガンが発生しなかった。

また、ニンニクの成分の一種であるジアリルスルフィド(香り成分)にもガン細胞の異常増殖を抑える働きがあることもわかった。これらニンニクに含まれるイオウ化合物が発ガン物質を解毒する肝臓の酵素を活性化するため、ガン発生が抑えられるわけである。米ニュージャージー州のラドガーズ大学医学部のチャング博士が「大腸ガン、肝臓ガン、肺ガン、胃ガン、食道ガンについてもニンニクの成分が細胞のガン化を防いでいる」と報告しているが、米スローンケタリング・ガン研究所のリチャード博士もニンニクの水溶性のイオウ化合物が人間の前立腺ガンの細胞、乳ガンの細胞の成長、増殖を抑制することを試験管実験で確認。

また、ガン細胞を埋め込んで発病させたマウスの膀胱ガンに対して、ニンニクがどう働くかを試した結果、膀胱ガンの成長が止まることことを確認した。その効果は従来の勝脱ガンの治療薬であるBCGと同程度、もしくはそれ以上という驚異的なものだった。BCGには副作用の危険があるが、ニンニクは毒性のない補助剤として勝胱ガンの治療に役立つことがわかるなど、ニンニクの抗ガン作用が実に幅広いものであることを証明する報告が相次いだ。

2001年6月の『日本癌学会誌』では、岐阜大学医学部の森教授らのグループが実験用ラットを使ったスコルヂニンの動物肝臓ガンに対する効果を実証。「人の肝臓ガンに対する有望な治療化学物質である」との報告レポートが掲載されている。

生活習慣病への効能

1996年末、それまで「成人病」と呼ばれてきたガン、心臓病、糖尿病などの病気が「生活習慣病」と呼ばれるようになった。いうまでもなく、それらの病気が成人ばかりではなく、若年層にも増えてきた結果、成人病では不自然なものとなってきたからであり、同時にそれらの病気が食生活を含めたライフスタイル、要するに生活習慣に根ざしていることが明らかになってきたためだ。

ガンの60%は食生活のあり方に原因があるといわれている。日本ではガンと心疾患、脳血管疾患が3大成人病といわれてきたが、1980年以後、ガンが死亡率のトップを独走している。そのガンに関しても、以前は死亡率のトップだった胃ガンに代わって、いまでは肺ガンがトップになっている。

確かに、食生活の洋風化が進んでいった結果、大腸ガン、肺ガン、乳ガンなど、欧米で多かったガンが日本でも増えている。生活習慣病はその他、肥満、高脂血症、高尿酸血症、歯周病、慢性気管支炎、アルコール性肝炎など、まさに治らない、治りにくい、そして治せない代表的な病気なのである。

風邪は万病のもとといわれるが、インフルエンザはウィルスによって引き起こされる。いまの医学ではいかなる有力な抗生物質も風邪のウイルスには効かない。その点はすでに指摘した通りだが、では「風邪薬は何に効くのか」というと、熱を下げたり、喉の炎症を抑えたり、頭痛を解消したりといった風邪の諸症状を軽減緩和する。

試しにここの方法で風邪が治らない場合は、免疫力が低下していると考えていい。

対症療法には役立っても、風邪そのものには効かない。最近は一度、風邪にかかると治りづらいという人が増えている。あるいは、頻繁に風邪を引いている人もいる。しかし、なかにはまったくといっていいほど風邪を引かない人がいる。

日本人が東南アジアに行って、例えば現地の人たちはかからないコレラにかかることがある。かかる人とかからない人の差は、免疫力のちがいである。風邪を治すのは、基本的に人間がウィルスに対抗できるものとして持っている自然治癒力しかない。

風邪を引きやすいということは、免疫力、さらには生命力が衰えてあかしいることの証でもあり、風邪は万病のもとというのは、免疫力、生命力が衰えれば、あらゆる病気にかかっても不思議ではないからだ。風邪同様、生活習慣痛は免疫力、自然治癒力で治すしかない。それは病気の中でも、もっともやっかいで、死亡率がトップのガンの場合でも変わりがない。

もともと人間の体は、約60兆もの細胞からできている。一個の細胞の中には、およそ8万個の遺伝子が存在するといわれ、その中にはガンの発生を引き起こす遺伝子(オン遺伝子) がある一方、ガンの発生を抑制する遺伝子(ガン抑制遺伝子) が存在する。その意味では、人間は推でもガン遺伝子を持っているわけである。

ただ、ガン唖喝伝子を持っているからといって、誰もがガンになるわけではない。正常な細胞に何らかの異常が生じると、ガン遺伝子が活躍を始めるのだが、それでもすぐにガンが発生するわけではない。人間の細胞には、健康を守るための様々な防御システムが備わっていて、その1つがガン抑制遺伝子である。

ガン化しようとする細胞を運転中の自動車にたとえると、ガン遺伝子はアクセル、ガン抑制遺伝子はブレーキに当たる。つまり、ガン細胞の力が抑制可能であれば、問題はないのだが、ブレーキが利かなかったり、故障していたりすると、ガン化を止めることはできない。その意味ではガンは内なる敵であり、結局のところ、免疫力あるいは自然治癒力の不足によって起こってくる。