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水虫の特効薬

ニンニクの効能効果は、実際に利用してみればすぐにわかる。まず、食べれば元気になる。あるいは、アリシンのもつニンニクの殺菌作用についても、抗生物質は種類によって使い道が限られているのに対して、ニンニクの場合はほとんどすべての細菌に効果がある。

その威力の一端は、特効薬がないといわれてきた水虫に試してみれば、納得できるはず。よく「水虫の特効薬を発明したらノーベル賞もの」といわれるが、実は現在、水虫の特効薬はないわけではない。ただ、効く薬はあるのだが、一発で完治できるのかといえばそうもいかない。

かなり根気がいる。普通は治りかけたところで、止めてしまうため「治った」と思った水虫が再発し、折角の特効薬が宝の持ち腐れとなってしまう一面もある。その頑固な水虫が「一発で治る」というのであるから、ニンニクはすごい。

実際にその効果を語る多くの証人もいる。長年、頑固な水虫に悩まされてきたある教授は、自らを実験台にニンニクで水虫を完治した経験を持つ。

以来、いろいろなところで「ニンニクによる有水虫撃退法」を紹介している。その方法は、

  1. 患部をきれいに洗っておく
  2. ニンニク一片をおろし金ですり下ろす
  3. おろしニンニクを患部に塗る
  4. そのまま10~20分ほど待つ
  5. 水でさっと洗い流してから、匂わないようにぬるま湯で石鹸を使ってよく洗い落とす

というものだ。水虫の進行度によって異なるが、塗った瞬間、ニンニクの刺激成分が染みて、かなりの痛みを感じる。授自身「耐えられないほどの痛みがあった」というが、普通はそれも1~2分で薄らいでくる。ただし、あまりにも刺激が強すぎて耐えられないようであれば、決して無理をせずに水で薄めて使用すればよい。

以上の方法で、1回で水虫を治してしまったが、よほど頑固な水虫でなければ1回で完治する。治療というには原始的で単純すぎるため、ややありがたみに欠けるが、賀教授お勧めの「特効薬」 である。

血糖値を下げる

死亡率ではガンや心疾患などに比べてはるかに低いが、多くの病気の引き金になっているのが糖尿病である。糖尿病は近年の飽食が生み出した典型的な生活習慣病であり、日本では40歳以上の約10% の人が糖尿病だともいわれている。

疫学調査から推定される糖尿病患者は、500万人を超える。だが、とてもそんな数では収まるまい。「最近は痩せていても体脂肪の多い「隠れ肥満」が急増し、糖尿病は若年層を含めた「国民病」の観がある。500万人を超える糖尿病患者以外に、肥満その他、糖尿病を超こしうる危険分子を持っている予備軍が、彼らの二倍いるといわれているだけに少なくとも、1500万人が糖尿病の危機にある。

かくれ肥満のための知識と肥満の減らし方はこちら。

この数字は増えることはあっても、当面、減ることなど考えられない。

糖尿病とは、手近な辞書には「尿中に多くの糖が検出される病気」とあるが、実際は尿に糖が出たから糖尿病というわけではない。

糖尿病とは「血液中の糖が過剰になった状態」を意味する。つまり、膵臓の機能不調で摂取した糖質の量に対するインシュリンの作用不足で、血中のブドウ糖濃度が高くなる疾患群のこと。

その意味では糖尿病とは血管の病気なのである。ニンニクに抗血栓作用やコレステロール値を下げる作用などがあり、血管の病気に効果があることはすでに見てきたが、それとは別にニンニクには糖尿病の特徴である血糖値そのものを下げる作用があることもわかっている。

その昔、中央ヨーロッパや東ヨーロッパの民間療法では、薬草医たちは血糖のことなど何も知らなかったはずだが、明らかに血糖値を下げる目的でニンニクを常用していた。1975年になつて、インドのジュイン博士らはウサギを使って、アルコールなどで抽出したニンニクのエキスが糖尿病に優れた効果を示すことをアメリカの臨床栄養学の雑誌に発表している。

ウサギにアロキサンという物質を注射し、膵臓のインシュリンをつくる細胞の作用を止めて、人工的に血糖値の高い糖尿病ウサギをつくつた。そのウサギにニンニクのエキスを経口投与し、各種エキスを与えられたウサギは血糖値の高い対照群に比べて、いずれも血糖値を低下させた。特に、エーテル抽出のエキスは、血糖降下剤・トルブタイドの効果とほとんど同じ程度の低血糖効果を示したという。

ラットにアロキサンという人工的に糖尿病を起こさせる物質を投与。血糖値が200~300mg/dlにまであがったラットにニンニンクのエキスを与え続けると、2~3日で血糖値が80mg/dlという正常値にもどることが確認されている。このとき、ニンニクにビタミンCを加えて、一緒に投与すると、より効果的であることも確認されている。
ビタミンC には摂取した栄養を体内の各臓器に送りやすくする働きがあり、ニンニクが膵臓に及ぼす作用を、さらに活性化してインシュリンの分泌を促すことによって、血糖値を正常にもどすわけである。

糖尿病は「病気の問屋」と言われ、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、神経障害、網膜症、感染症などを併発しがちです。ホルモンの1つであるインシュリンが正常に分泌されないと、体内の糖代謝がうまく行われなくなり、血中濃度が上昇して糖尿病の引き金になるが、ここでもニンニクは自律神経を安定させ、内分泌系に働きかけてホルモンの分泌を正常に維持する働きがある。

ニンニクを常食することにより、膵臓の機能回復、血糖値正常化作用、疲労感、精力減退の回復につながり、結果的にすべてが糖尿病の改善に役立つというわけである。

血栓・脳卒中の予防

ニンニクの抗血栓作用に関しては、ニンニクの持つ物質の中でももっとも強い血栓形成防止効果を示すものとして、アホエンがよく知られている。

アホエンの効能効果の研究を続けているめいらくグループのバイオ開発研究所では、ほかのニンニク成分同様、アホエンは動物実験において、血液中のコレステロール値を低下させることを確認している。
アホエンの脳卒中抑制効果についても、加齢とともに高血圧を自然発症し、脳卒中を起こす「脳卒中易発症性高血圧発病ラット(SHRSP)」」を使った実験を行った結果、脳卒中の発症率を62.4%低下させた。

脳卒中の原因となる脳の血管が詰まったり、狭くなって血液が流れにくくなるなどの脳の血流循環障害は、すでに見てきたように酸化による血管壁の損傷が主原因である。

活性簡素から身を守るには、いかにして酸化を防ぐかがポイントとなるが、アホチは動物実験で血液中の過酸化物の抑制、SOD (活性酸素分解酵素)の活性上昇、GSH・PX (過酸化物除去酵素)の活性上昇に有効性が認められている。

また、アホエンは全身に血液を送り出すポンプの役割をしている心臓そのものの働きをも強める作用が明らかになつている。具体的には、各臓器の機能を発揮させるのに必要な物質であるC・AMP(環状アデノシン-リン酸) レベルを上昇させることで強心作用、気管支拡張作用などの生理的効果が期待できるという。

心臓や循環器を守る働きについてニンンニク嫌いの国では心臓病が多く、ニンニクをよく食べる国では心臓病が少ないことについてこう説明する。

例えば、これはたしかな実証があることだが、地中海沿岸諸国では肉料理をたくさん食べるにもかかわらず、北ヨーロッパ諸国よりも心臓病の人が少ない。この間題は最近イギリスでも議論され、ある医者は地中海沿岸諸国ではたくさんワインを飲むからだと述べ、さらに別の医者は脂肪をあまり摂らないからだと述べていたが、実際には様々な要因が重なり合った結果であり、どの主張が正しいと特定することはできない。

あまり理屈をこね回すのも考えものだ。大事なことははっきりしている。料理には必ずアリウム(ネギ・ニンニク類) を添える。調理にはニンニクのかけらを忘れずにニンニクの様々な成分がほとんど万能薬としての効果を示すことがわかっているにもかかわらず、そのどの成分が決め手となるのか、すべてが解明されていない以上、結論は常に同じ「ニンニクをとろう」というところにもどってくるわけである。