水虫の特効薬

ニンニクの効能効果は、実際に利用してみればすぐにわかる。まず、食べれば元気になる。あるいは、アリシンのもつニンニクの殺菌作用についても、抗生物質は種類によって使い道が限られているのに対して、ニンニクの場合はほとんどすべての細菌に効果がある。

その威力の一端は、特効薬がないといわれてきた水虫に試してみれば、納得できるはず。よく「水虫の特効薬を発明したらノーベル賞もの」といわれるが、実は現在、水虫の特効薬はないわけではない。ただ、効く薬はあるのだが、一発で完治できるのかといえばそうもいかない。

かなり根気がいる。普通は治りかけたところで、止めてしまうため「治った」と思った水虫が再発し、折角の特効薬が宝の持ち腐れとなってしまう一面もある。その頑固な水虫が「一発で治る」というのであるから、ニンニクはすごい。

実際にその効果を語る多くの証人もいる。長年、頑固な水虫に悩まされてきたある教授は、自らを実験台にニンニクで水虫を完治した経験を持つ。

以来、いろいろなところで「ニンニクによる有水虫撃退法」を紹介している。その方法は、

  1. 患部をきれいに洗っておく
  2. ニンニク一片をおろし金ですり下ろす
  3. おろしニンニクを患部に塗る
  4. そのまま10~20分ほど待つ
  5. 水でさっと洗い流してから、匂わないようにぬるま湯で石鹸を使ってよく洗い落とす

というものだ。水虫の進行度によって異なるが、塗った瞬間、ニンニクの刺激成分が染みて、かなりの痛みを感じる。授自身「耐えられないほどの痛みがあった」というが、普通はそれも1~2分で薄らいでくる。ただし、あまりにも刺激が強すぎて耐えられないようであれば、決して無理をせずに水で薄めて使用すればよい。

以上の方法で、1回で水虫を治してしまったが、よほど頑固な水虫でなければ1回で完治する。治療というには原始的で単純すぎるため、ややありがたみに欠けるが、賀教授お勧めの「特効薬」 である。

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血糖値を下げる

死亡率ではガンや心疾患などに比べてはるかに低いが、多くの病気の引き金になっているのが糖尿病である。糖尿病は近年の飽食が生み出した典型的な生活習慣病であり、日本では40歳以上の約10% の人が糖尿病だともいわれている。

疫学調査から推定される糖尿病患者は、500万人を超える。だが、とてもそんな数では収まるまい。「最近は痩せていても体脂肪の多い「隠れ肥満」が急増し、糖尿病は若年層を含めた「国民病」の観がある。500万人を超える糖尿病患者以外に、肥満その他、糖尿病を超こしうる危険分子を持っている予備軍が、彼らの二倍いるといわれているだけに少なくとも、1500万人が糖尿病の危機にある。

かくれ肥満のための知識と肥満の減らし方はこちら。

この数字は増えることはあっても、当面、減ることなど考えられない。

糖尿病とは、手近な辞書には「尿中に多くの糖が検出される病気」とあるが、実際は尿に糖が出たから糖尿病というわけではない。

糖尿病とは「血液中の糖が過剰になった状態」を意味する。つまり、膵臓の機能不調で摂取した糖質の量に対するインシュリンの作用不足で、血中のブドウ糖濃度が高くなる疾患群のこと。

その意味では糖尿病とは血管の病気なのである。ニンニクに抗血栓作用やコレステロール値を下げる作用などがあり、血管の病気に効果があることはすでに見てきたが、それとは別にニンニクには糖尿病の特徴である血糖値そのものを下げる作用があることもわかっている。

その昔、中央ヨーロッパや東ヨーロッパの民間療法では、薬草医たちは血糖のことなど何も知らなかったはずだが、明らかに血糖値を下げる目的でニンニクを常用していた。1975年になつて、インドのジュイン博士らはウサギを使って、アルコールなどで抽出したニンニクのエキスが糖尿病に優れた効果を示すことをアメリカの臨床栄養学の雑誌に発表している。

ウサギにアロキサンという物質を注射し、膵臓のインシュリンをつくる細胞の作用を止めて、人工的に血糖値の高い糖尿病ウサギをつくつた。そのウサギにニンニクのエキスを経口投与し、各種エキスを与えられたウサギは血糖値の高い対照群に比べて、いずれも血糖値を低下させた。特に、エーテル抽出のエキスは、血糖降下剤・トルブタイドの効果とほとんど同じ程度の低血糖効果を示したという。

ラットにアロキサンという人工的に糖尿病を起こさせる物質を投与。血糖値が200~300mg/dlにまであがったラットにニンニンクのエキスを与え続けると、2~3日で血糖値が80mg/dlという正常値にもどることが確認されている。このとき、ニンニクにビタミンCを加えて、一緒に投与すると、より効果的であることも確認されている。
ビタミンC には摂取した栄養を体内の各臓器に送りやすくする働きがあり、ニンニクが膵臓に及ぼす作用を、さらに活性化してインシュリンの分泌を促すことによって、血糖値を正常にもどすわけである。

糖尿病は「病気の問屋」と言われ、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、神経障害、網膜症、感染症などを併発しがちです。ホルモンの1つであるインシュリンが正常に分泌されないと、体内の糖代謝がうまく行われなくなり、血中濃度が上昇して糖尿病の引き金になるが、ここでもニンニクは自律神経を安定させ、内分泌系に働きかけてホルモンの分泌を正常に維持する働きがある。

ニンニクを常食することにより、膵臓の機能回復、血糖値正常化作用、疲労感、精力減退の回復につながり、結果的にすべてが糖尿病の改善に役立つというわけである。

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血栓・脳卒中の予防

ニンニクの抗血栓作用に関しては、ニンニクの持つ物質の中でももっとも強い血栓形成防止効果を示すものとして、アホエンがよく知られている。

アホエンの効能効果の研究を続けているめいらくグループのバイオ開発研究所では、ほかのニンニク成分同様、アホエンは動物実験において、血液中のコレステロール値を低下させることを確認している。
アホエンの脳卒中抑制効果についても、加齢とともに高血圧を自然発症し、脳卒中を起こす「脳卒中易発症性高血圧発病ラット(SHRSP)」」を使った実験を行った結果、脳卒中の発症率を62.4%低下させた。

脳卒中の原因となる脳の血管が詰まったり、狭くなって血液が流れにくくなるなどの脳の血流循環障害は、すでに見てきたように酸化による血管壁の損傷が主原因である。

活性簡素から身を守るには、いかにして酸化を防ぐかがポイントとなるが、アホチは動物実験で血液中の過酸化物の抑制、SOD (活性酸素分解酵素)の活性上昇、GSH・PX (過酸化物除去酵素)の活性上昇に有効性が認められている。

また、アホエンは全身に血液を送り出すポンプの役割をしている心臓そのものの働きをも強める作用が明らかになつている。具体的には、各臓器の機能を発揮させるのに必要な物質であるC・AMP(環状アデノシン-リン酸) レベルを上昇させることで強心作用、気管支拡張作用などの生理的効果が期待できるという。

心臓や循環器を守る働きについてニンンニク嫌いの国では心臓病が多く、ニンニクをよく食べる国では心臓病が少ないことについてこう説明する。

例えば、これはたしかな実証があることだが、地中海沿岸諸国では肉料理をたくさん食べるにもかかわらず、北ヨーロッパ諸国よりも心臓病の人が少ない。この間題は最近イギリスでも議論され、ある医者は地中海沿岸諸国ではたくさんワインを飲むからだと述べ、さらに別の医者は脂肪をあまり摂らないからだと述べていたが、実際には様々な要因が重なり合った結果であり、どの主張が正しいと特定することはできない。

あまり理屈をこね回すのも考えものだ。大事なことははっきりしている。料理には必ずアリウム(ネギ・ニンニク類) を添える。調理にはニンニクのかけらを忘れずにニンニクの様々な成分がほとんど万能薬としての効果を示すことがわかっているにもかかわらず、そのどの成分が決め手となるのか、すべてが解明されていない以上、結論は常に同じ「ニンニクをとろう」というところにもどってくるわけである。

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悪玉(LDL)コレステロールを抑制する

先進国でガンとともに全死因の多くを占めるのが、日本でも食生活の洋風化とともに急増してきた動脈硬化が原因で起きる心筋梗塞などの心疾患や脳卒中である。

かたよった食生活に加え、慢性的な運動不足、心労・ストレスが、心臓や循環器の病気の増加に拍車をかけている。心臓病も脳血管疾患も同じ血管の病気であると捉えれば、日本人の死因のトップはガンではなく、血管の病気ということになる。

動脈硬化はコレステロールや過酸化脂肪が付着し、動脈の壁が厚くなって弾力を失う現象。
体内で消化しきれなかった糖質や脂質などのエネルギー源は、脂肪として蓄えられ、血液内に入っていく。ここでも活性酸素が大きく関与しているのだが、血管内のコレステロールなどの脂肪は血液に溶けないため、タンパク質と結合し「リポタンパク(リボプロテイン)」という形で血液中を流れる。動脈硬化のメカ:ズムは悪玉コレステロールのLDL(低比重リボプロテイン)が酸化されると、悪質な変性LDLになる。

免疫細胞の一種であるマクロファージは、この変性LDLを細菌などの異物と認識し、どんどん食べてしまう。しかし、マクロファージの処理能力にも限度があり、それを超えると泡沫細胞を形成する。これが繰り返されることによって、やがて血管壁に脂質が付着して動脈硬化が起こると考えられている。

コレステロールとニンニクの関係についての研究を世界で最初に手がけたのは、近代薬草学の権威の1人として知られるブルガリアのヴュセリン・ベトコフ博士であった。

1949年にベトコフ博士が行った実験は、ウサギにコレステロールたっぷりのエサを与え、動脈の壁が硬くなるアテローム性動脈硬化症を誘発させた。そのコレステロールの血中濃度を高くしたウサギの中の何匹かにニンニクを与えると、コレステロール濃度が下がり、血管の状態も改善したというもの。

ベトコフ博士の研究から半世紀たって、米ロマリンダ大学医学部のベンジャミン・ラウ教授らのグループは、ニンニクの成分に脈硬化を予防する効果があることを突き止めた。

LDLを酸化する働きのある溶液にLDLを入れ、熟成ニンニク抽出液を卯えると、何も入れなかった場合に比べて、LDLの酸化が4分の1に減少した。

これは抽出液の峨分であるS-アリルシステインや、その代謝物のN-アセナル-S-アリルシステインでも同様の効果があった。

「男女計8人を対象にした小規模な臨床実験でもニンニク抽出液を摂取した人の血液は、LDL の酸化が起こりにくく、LDLの酸化抑制がニンニクの有効作用の1つであるといっていい」と指摘している。

また、米ペンシルバニア大学栄養学部のユ・ヤン・イ博士はニンニクにLDLを減らす働きがあることを臨床実験で確認した。熟成したニンニクから抽出したエキスをカプセルに入れ、これを34人に5ヶ月間服用させた。

その結果、LDL値が12%下がり、総コレステロール値でも平均7%下がった。博士はニンニクの肝臓細胞の代謝機能についても「ニンニクに含まれるS-アリルシステインが培養肝臓細胞に働きかけて、.コレステロールおよび脂肪酸の合成を抑制する」と発表している。あるいは、血液学の権威として知られる米イーストカロライナ大学医学部のマンフレッド・スタイナ一博士は、熟成ニンニク抽出液を使った二重盲検法による臨床試験で血清コレステロール値が低下することを報告。

さらに、血小板への影響を調べたところ、コレステロール値が高い人たちに熟成ニンニクエキスを一日、2.4グラムから4.8グラム与えると、血小板の凝集、血管への付着が明らかに抑えられたことを報告している。

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ピロリ菌やO-157にも有効

ヘリコバクター・ピロリという細菌が、胃ガンや胃潰瘍の原因になるとして、その存在が注目を集めている。ピロリ菌に感染すると、ほぼ100% の人が自覚症状のない胃炎を起こし、そのうち数パーセントが胃潰瘍に進行する。

ピロリ菌は胃酸を中和する酵素を持っているため、酸性の強い中でも繁殖し、菌の出す毒素が潰瘍やガンにつながる細胞異常を引き起こすと見られている。ピロリ菌は日本人の中高年の約7割、日本人全体では約5000万人が感染しているといわれている。

米国立ガン研究所では、ニンニク国際会議でニンニクを食べるとピロリ菌の感染が減り、胃ガンの発生が抑制されることを示す疫学調査の結果を報告した。ニンニクの大産地である中国山東省蒼山県では、住民は日常的にニンニクを食べている。そのため、胃ガンの発症率は人口10万人当たり男性で5人、女性で3人と、日本のほぼ10分の1という少なさである。

住民200人あまりを対象にした調査では、ニンニクを1年間に15キロ以上食べている人は、5キロ以下の人に比べて胃ガンの発生リスクは、約半分と少ないことがわかった。内視鏡を使った胃の組織を調べたところ、ピロリ菌に感染している人ほど、免疫力が高かった。

同時に、ニンニクを食べることにより、胃の中のピロリ菌が減少することを報告。ニンニクを食べている人ほど胃の中のピロリ菌が少なく、胃損壊や胃ガンにならずにすんでいることを証明した。日本でバイオ開発研究所が抗ヘリコバクター・ピロリ作用を持つ物質を検索した結果、粉砕したニンニク油脂と混合することで油脂中に抽出されるニンニク成分がピロリ菌の育成を著しく阻害することを発見。

アホエンやチオスルフィネートなどの油浸漬ニンニク成分が低濃度でピロリ菌の育成を阻害するとして、すでに特許も出願している。

古くから、ニンニクの刺激成分・アリシンなどの揮発性成分は強力な抗菌作用、殺菌作用を持っていることで知られる。すり下ろしたニンニクは水虫の特効薬として有名であるが、ニンニクは12万倍に薄めた液でもコレラ菌やチフス菌、赤痢菌などに対する抗菌力を発揮。

ニンニクの持つ抗菌作用については、1996年に大流行して以来、毎年のように少なからぬ犠牲者を出してきた病原性大腸菌O-157 にもニンニクが有効であるとの研究結果が、弘前大学医学部の佐々木博士らによって報告されている。
佐々木博士らは自然界の食物から抗ガン物質を探す研究に携わってきて、90年にはイカ墨の中に抗ガン物質があるとの研究報告をまとめた。

次に選んだテーマが青森県特産のニンニクであった。研究を続けていたところ、たまたまO-157が猛威をふるっていた時期に、あるセラミックメーカーからセラミックスのO-157に対する殺菌効力の研究を依頼された。その研究をまとめた後、改めて「ニンニクにもO-157に対する抗菌効力があるのではないか」との想定のもとに始めた実験が、試験管に滅菌蒸留水と、1:ニンニクの粉末1% を入れた滅菌蒸留水を用意し、それぞれにO-157菌を入れて、37度で培養するという方法であった。

その結果、ニンニクの入っていないほうは増殖し、1CC当たり約3億個の菌があるのに対して、ニンニク入りのほうはすべての菌が死滅していた。このニンニク入りの溶液を100度で10分間および20分間加熱し、同様の実験をしても結果は変わらなかった。さらに興味深いのは、抗生物質が効かずに問題になっている院内感染を起こすMRSA( メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)にも殺菌力を持っていることを立証。これまで問題とされてきたあらゆる菌に対して、殺菌力を持っていることが明らかになっている。

食あたり・O157をにんにくで予防

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発ガン作用の抑制

ガンに対するニンニクの効能効果は、世界各地で注目されはじめている。いまも、多くの大学や企業の研究所で研究が続けられ、新たな成果が発表されている。古くは1953年、米オハイオ州にあるケースウェスタン大学のワイズバーガー博士らはガン細胞に少量のアリシンを混ぜてネズミに注射するという実験を行った。

アリシンを混ぜたネズミは6ヶ月後もまだ生きていたが、ガン細胞だけを注射したネズミは16日後には全部が死んだという結果であった。

ワイズバーガー博士はニンニクの抗菌作用、酵素作用、タンパク質作用に着目し、これらが一体となつてガン細胞の栄養吸収作用や増殖作用などの代謝を妨害し、抑制すると主張した。ワイズバーガー博士の報告によって、ニンニクのガン予防に関する研究が世界各地で盛んに試みられるようになった。

日本でも、67年に京都大学の藤原教授らはニンニク抽出液およびアリシンによって、ガンの免疫が誘導されることを『ネイチャー』誌に発表している。また、小湊博士らがスオコルヂニンの構成成分であるフリーチアマミジンが発ガンを抑える作用のあることを発見している。

その後、80年代のアメリカでガン予防のためにスタートさせた「デザイナーフーズ・プログラム」で、もっともガン予防に効果がある食品のトップにニンニクが位置づけられた。

疲労回復や免疫力のアップ「にんにく」 | ガン予防のための習慣
https://www.malignant-t.com/archives/85

90年に京都府立医科大学生化学部の西野教授らが、マウスを使っで有効成分を抽出した濃縮エキスである「熟成ニンニク抽出液」を使用、イオウ化合物のジアリルペンタスルフィドが皮膚ガンの発生を抑制することを確認し、同じくS-アリルメルカプトシステインが肝臓ガンを抑制することを証明している。

西野教授らは、さらに熟成ニンニク抽出液中のどんな成分がガン発生の抑制に関与しているのかを詳しく調べた結果、イオウ化合物以外にも有効成分が含まれていることを発見し、アリキシンと命名。

これはニンニクのストレス化合物で、生ニンニクが長期間熟成されることからくるストレスに対抗するためにできる防衛物質である。

これまでのニンニクのガン予防効果は、初期のイニシエーション期でガンを抑制する作用が中心であることを考えると、アリキシンはプロモーション期でガンを抑制する点が注目されており、今後の研究が期待される。あるいは、めいらくグループが製品化している無臭の脂溶性成分であるアホエンには、発ガンの原因である細胞の突然変異を抑制する効果があり、正常細胞よりもガン細胞に対して低濃度で細胞死を起こすことがわかっている。
さらに強力な発ガン物質であるアフラトキシンB1とDNAの結合を阻害し、ガンの発症を抑制することが期待できるとしている。

1998年に開催されたニンニク国際会議は、これまでのニンニク研究によってわかっていたニンニクの幅広い効用に、様々な面から科学のメスが入れられた画期的な4ものであった。

例えば、ガンについて米サウスカロライナ・ガンセンターのマイケル博士は、食道ガンと大腸ガンの細胞を使ってニンニクの抗ガン作用に関する実験を行った。ラットの腹部に発ガン物質(ジメチルヒドラジン) を注射すると、大腸の細胞群が異常な増殖を示すようになり、やがてガンになっていく。

実験では発ガン物質だけを10週間にわたって投与されたラットは、30例中19例に大腸ガンが発生したが、発ガン物質を注射する3時間前にイオウ化合物のS-アリルシステイン(無臭の水溶性成分)を与えたラットは30例中8例しかガンが発生しなかった。

また、ニンニクの成分の一種であるジアリルスルフィド(香り成分)にもガン細胞の異常増殖を抑える働きがあることもわかった。これらニンニクに含まれるイオウ化合物が発ガン物質を解毒する肝臓の酵素を活性化するため、ガン発生が抑えられるわけである。米ニュージャージー州のラドガーズ大学医学部のチャング博士が「大腸ガン、肝臓ガン、肺ガン、胃ガン、食道ガンについてもニンニクの成分が細胞のガン化を防いでいる」と報告しているが、米スローンケタリング・ガン研究所のリチャード博士もニンニクの水溶性のイオウ化合物が人間の前立腺ガンの細胞、乳ガンの細胞の成長、増殖を抑制することを試験管実験で確認。

また、ガン細胞を埋め込んで発病させたマウスの膀胱ガンに対して、ニンニクがどう働くかを試した結果、膀胱ガンの成長が止まることことを確認した。その効果は従来の勝脱ガンの治療薬であるBCGと同程度、もしくはそれ以上という驚異的なものだった。BCGには副作用の危険があるが、ニンニクは毒性のない補助剤として勝胱ガンの治療に役立つことがわかるなど、ニンニクの抗ガン作用が実に幅広いものであることを証明する報告が相次いだ。

2001年6月の『日本癌学会誌』では、岐阜大学医学部の森教授らのグループが実験用ラットを使ったスコルヂニンの動物肝臓ガンに対する効果を実証。「人の肝臓ガンに対する有望な治療化学物質である」との報告レポートが掲載されている。

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生活習慣病への効能

1996年末、それまで「成人病」と呼ばれてきたガン、心臓病、糖尿病などの病気が「生活習慣病」と呼ばれるようになった。いうまでもなく、それらの病気が成人ばかりではなく、若年層にも増えてきた結果、成人病では不自然なものとなってきたからであり、同時にそれらの病気が食生活を含めたライフスタイル、要するに生活習慣に根ざしていることが明らかになってきたためだ。

ガンの60%は食生活のあり方に原因があるといわれている。日本ではガンと心疾患、脳血管疾患が3大成人病といわれてきたが、1980年以後、ガンが死亡率のトップを独走している。そのガンに関しても、以前は死亡率のトップだった胃ガンに代わって、いまでは肺ガンがトップになっている。

確かに、食生活の洋風化が進んでいった結果、大腸ガン、肺ガン、乳ガンなど、欧米で多かったガンが日本でも増えている。生活習慣病はその他、肥満、高脂血症、高尿酸血症、歯周病、慢性気管支炎、アルコール性肝炎など、まさに治らない、治りにくい、そして治せない代表的な病気なのである。

風邪は万病のもとといわれるが、インフルエンザはウィルスによって引き起こされる。いまの医学ではいかなる有力な抗生物質も風邪のウイルスには効かない。その点はすでに指摘した通りだが、では「風邪薬は何に効くのか」というと、熱を下げたり、喉の炎症を抑えたり、頭痛を解消したりといった風邪の諸症状を軽減緩和する。

試しにここの方法で風邪が治らない場合は、免疫力が低下していると考えていい。

対症療法には役立っても、風邪そのものには効かない。最近は一度、風邪にかかると治りづらいという人が増えている。あるいは、頻繁に風邪を引いている人もいる。しかし、なかにはまったくといっていいほど風邪を引かない人がいる。

日本人が東南アジアに行って、例えば現地の人たちはかからないコレラにかかることがある。かかる人とかからない人の差は、免疫力のちがいである。風邪を治すのは、基本的に人間がウィルスに対抗できるものとして持っている自然治癒力しかない。

風邪を引きやすいということは、免疫力、さらには生命力が衰えてあかしいることの証でもあり、風邪は万病のもとというのは、免疫力、生命力が衰えれば、あらゆる病気にかかっても不思議ではないからだ。風邪同様、生活習慣痛は免疫力、自然治癒力で治すしかない。それは病気の中でも、もっともやっかいで、死亡率がトップのガンの場合でも変わりがない。

もともと人間の体は、約60兆もの細胞からできている。一個の細胞の中には、およそ8万個の遺伝子が存在するといわれ、その中にはガンの発生を引き起こす遺伝子(オン遺伝子) がある一方、ガンの発生を抑制する遺伝子(ガン抑制遺伝子) が存在する。その意味では、人間は推でもガン遺伝子を持っているわけである。

ただ、ガン唖喝伝子を持っているからといって、誰もがガンになるわけではない。正常な細胞に何らかの異常が生じると、ガン遺伝子が活躍を始めるのだが、それでもすぐにガンが発生するわけではない。人間の細胞には、健康を守るための様々な防御システムが備わっていて、その1つがガン抑制遺伝子である。

ガン化しようとする細胞を運転中の自動車にたとえると、ガン遺伝子はアクセル、ガン抑制遺伝子はブレーキに当たる。つまり、ガン細胞の力が抑制可能であれば、問題はないのだが、ブレーキが利かなかったり、故障していたりすると、ガン化を止めることはできない。その意味ではガンは内なる敵であり、結局のところ、免疫力あるいは自然治癒力の不足によって起こってくる。

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活性酸素を抑制する

ニンニクの持つ効能効果についてはいまさら…というぐらい周知されているが、さらに興味深いニンニクパワーについて、もう少しマニアックな情報についてまとめていきたい。

近年、病気と健康に関する話題の中で、よく登場するようになつたものの1つに「フリーラジカル=活性酸素」あるいは「体のサビ=酸化」といった言葉や表現がある。すでに「国際フリーラジカル学会」ができていて、研究も進み、いまでは「疾病の85%は活性酸素が関与している」といわれるように、がぜん注目されている分野である。

人間は口から食物を摂取し、体内に取り込んだ酸素によって燃やすことで、水と化学エネルギーに変換し、これを動力源に生を営んでいる。酸素はわれわれが生きていく上で必要不可欠なものだが、その一方で物を腐食させたり、老化させるといった悪事も働く。特に、このエネルギー代謝の過程で生じるのが活性酸素であり、通常、われわれが消費する酸素の約二% が活性酸素になるといわれる。これは電子が不安定な状態の酸4素分子でフリーラジカルと呼ばれる。

なぜ活性簡素が疾病の原因になるのだろうか。活性酸素はエネルギー代謝の過程で生じるほか、体内に細菌や有害物質が侵入してくると白血球からも放出され、それらから肉体を守る働きをしている。これは私たちの生体防御システムでもあるのだが、そのバランスが崩れて過剰に活性酸素がつくられると、逆に害を及ぼすことになる。

物質のもとである原子はその中心にある原子核と、その周りを回っている電子によつて成り立っている。その電子は普通、ペアになって原子核の周りを回っているのだが、フリーラジカルにはこの電子が1個しかない。本来、ペアであるべきものが1個しかないことから、非常に不安定なため、常にほかの電子を奪おうとする性質がある。逆に、電子を奪われたほうが今度は不安定なフリーラジカ〜になるため、ペアを組もうと、さらにほかの原子や分子から電子を奪おうとする。フリーラジカルが問題とされるのは、こうした連鎖反応が続くことによって、様々なトラブルが起きてくるからである。活性酸素はほかの分子と結合しやすいため、体内で遺伝子・DNAを傷つけることでも知られており、ガンのごく初期であるイニシエーションと、ガン化が促進されるプロモーション期の両方に影響を及ぼすことがわかっている。

また、コレステロールや不飽和脂肪酸と結合して、動脈硬化のもととなる植物性オイルに多い過酸化脂質をつくり出す。つまり、活性酸素によって傷つけられた細胞膜には過酸化脂質というサビがつき、この過酸化脂質からも新たな活性酸素が生じるという悪循環が起こる。

この過酸化脂質はラジカル(遊離基)になりやすく、この物質が老化をはじめ、様々な炎症やガン、動脈硬化、糖尿病などの発生を促進させる、まさに病気の大半に関与する困った存在なのである。本来、われわれは過剰につくられた活性酸素=フリーラジカルの、いわば暴走を食い止め、適当に処理し除去する物質を体内でつくり出す機能を持っている。

それがSOD(スーパー・オキサイド・デイスムターゼ= 活性酸素分解酵素) であり、われわれは活性酸素とSODのバランスを保つことによって、健康を維持できるようになつている。だが、40歳を超すとSODの力が弱まり始めるため、老化や生活習慣病が増えてくる。

困ったことに、この活性酸素はオゾン層の破壊による有害紫外線、大気汚染、農薬、放射線、ストレスなどによって増加する。まさに、現代社会は活性酸素が増加するにはピッダリの頻境なのである。

そのため晴性酸素の発生を未然に防ぎ、生成後の活性酸素を消去し、無害化する抗酸化作用を持つS OD の存在が重要視されている。このSOD には増加した活性酸素をコントロールし、正常化する作用のほかに過酸化脂質の除去作用もある。そこで多くのSOD食品と呼ばれるものが脚光を浴び、健康食品としても売られたりする。

SOD は胚芽や大豆、ハト麦、ゴマ、緑茶、大根の若葉、麦の新芽などの植物や穀類に含まれているのだが、それらは分子量が3万以上のものもあって、そのままでは吸収されにくい。また、それらの植物や穀類にはSOD以外の低分子で活性酸素除去作用の強いフラボノイド、カロチン、ビタミンC 、タンー‥ 、ポリフェノール類なども含まれているのだが、そのまま食べても有効な活性酸素除去作用は、あまり期待できない。これを特殊な操作によって、活性化させる必要があるからだ。

現在のところ、医学的にはいまだ活性酸素やSOD食品についてはよくわかっていない面が多いのだが、いち早くニンニクの持つ抗酸化作用に注目してきた専門家は、「ニンニクの成分がいろんな病気に効くというのは、おそらく抗酸化作用に由来する点が多いことに由来している。

実際に、ニンニクの有効成分(スコルヂニン)を用いて試験管の中で実験すると、抽が酸化するのを防ぐことが容易に見てとれる。おそらく、人体の中でもフリーラジカルを防いでくれるはずだというわけだ。

高コレステロール食を与えたラットを使用した動物実験によって、オキソアミヂン末( スコルヂニン) の生体内における抗酸化作用を調査したところ、オキソアミヂン未を与えたものは与えないグループに対して、血清中の過酸化物値を低下させるとの結果を得ている。

生体内の抗酸化作用の低下から過酸化物が蓄積されることによるガンや老化現象の促進、動脈硬化症、血栓症など各種疾患との関連が報告されているだけに、様々なところでニンニクの持つ抗酸化作用についての研究が進んでいる。

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ニンニクの臭い消しにハーブの消臭効果を利用する

懸案の臭いですが、ニンニクの匂いの消し方にはいろいろある。いちばん手軽なところでは、食後にリンゴを4分の1個食べるという古くからの方法。がハーブの力を借りて開発した「ハーブにんにく」もわかりやすい。

もともとハーブはヨーロッパで病気の予防や治療、美容、あるいは料理やお茶、香りを楽しむなど、様々な形で使われてきた。最近は日本でもブームになっている。ハーブの多くは香りが強いことから、感覚的消臭作用があるほか、一部のハーブには匂いの成分と結合し、匂いの発生そのものを抑制する化学的消臭効果もある。

「ハーブにんにく」は、この感覚的消臭効果と化学的消臭効果の2つの作用を持つハーブを組み合わせたエキスをつくることによって、画期的な消臭効果を実現。この特殊な混合ハーブエキスにニンニクを漬け込む独自の処理方法によって、食後の匂いを気にしなくていい。同社のパンフレットによれば「不思議でとってもエチケットな」食後消臭ニンニクを完成させたわけである。

これまでの無臭ニンニクは食前からニンニク特有の匂いを消したものが多かったが、ニンニクは特有の匂いがあってこそ、食欲がそそられるものだ。「ハーブにんにく」のポイントはニンニク特有の風味を損なわず、栄養分を残したまま匂いを消す方法を開発したことであった。

無臭にんにく Leave a comment

長野県長谷村の村おこし

青森県とは別に、ニンニクの有効成分スコリヂニンを使った健康飲料を地域おこしに役立てようとしているのが、長野県上伊那郡長谷村を舞台にしたユニークな試みである。長谷村は南アルブスの玄関口に当たる山懐に位置する。近くに分杭峠があり、日本最古の断層といわれる中央構造線が走っていることから、地質構造的に特殊な場所として有名である。

中央構造線は九州から四国の四万十帯から紀伊半島を経て、愛知県豊川から南アルプス・赤石山系を北上し、諏訪湖周辺で、フォッサマグナによって分断され、東へ方向を変えて鹿島灘へと列島を縦断する日本の代表的な大断層帯。
この中央構造線は西南日本の北側を内帯、南の太平洋側を外帯と呼び、長谷村はこの内帯と外帯を包含する地質構造のため、あちこちに断層の露呈部分が見られ、なかでも分杭峠付近は地底から絶えず地磁気や放射線が不定期に放出される特殊な場所となつている。1995年7月、この長谷村に中国湖北省の蓮花山を拠点にする著名な気功師・張志禅師(元極学家元) が招かれた際、と指摘されたのが、分杭峠であった。

谷村では「気の里」構想を打ち出し、「日本にも蓮花山に匹敵するすごい場所がある」この特殊な「気」の場所を活用するために、長めの瞑想室(特別研修室) を備えた研修施設「入野や谷・南アルブス生涯学習センター」を開設するなど、一風変わった地域おこしに取り組んでいる。

長谷村にはまた、上伊那森林組合長谷支所があって、古くから食品工場を持っており、山の幸を用いた山菜の佃煮や漬物、手づくりのアイスクリームなどをつくつている。あるいは草餅などに使用する冷凍のヨモギは、地元の小学生と老人たちが協力して集めており、村ぐるみで地域おこしが行われている。

そんな地域おこしのラインナップに、新たに加わったのがが無農薬自然栽培米でつくつた玄米スープに、ニンニクの有効成分・スコルヂニンを入れて、麹で発酵させた健康飲料である。

合成保存料、防腐剤など、一切の添加物を使わないナチュラルな健康食品つくりにこだわる創玄村では、スコルヂニンも無農薬有機栽培のニンニクから抽出したものを使用するべく準備中。つくる人も買う人も飲む人も、すべてが「ありがとうございます」という感謝の気持ちになつてもらえたらという願いが込められている。

したがって、大切な材料はすべて無駄にしない。玄米スープの液体分は健康飲料に、いろいろ使い道のある固形分からは、玄米ハンバーグやせんへい玄米煎餅などをつくつて、自然食店やチェーン店などで販売する。これ以外にも熟成ニンニクエキスを添加したハーブオイルなど、地域おこしのための構想を思案中。

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